下肢の関節の役割

骨盤から先を下肢(かし)と呼びます

下肢の機能は上肢とちがい、ものの操作という器用さこそないものの、安定性を保ちながら動作性を作り出すという運動の質と、身体を運ぶためのパワーという運動の量の、一見相反する特徴を兼ねて微妙にコントロールすることが要求されています。
したがって、関節を動かす機能がより重要になります。骨盤や股関節は、筋肉に左右される部分が大きくなり、不十分な体重支持を補いながら動かすという難しい運動になります。
つまり、下肢の役割は体重を支え、身体を運ぶことが主体であり、下肢の機能は器用さよりも力強さが重視される事になります。

関節の機能障害の認定基準

器質的損傷が画像で確認できることが前提条件

医学上の傷病名は、「解剖学的部位名」+「外傷態様」で表します。事故受傷後の初療時に画像検査(レントゲン・CT)が施行され、骨折又は脱臼、軟部組織の損傷が確認できることが、後遺障害認定の出発点になります。
後遺障害の「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域角度を、患側(ケガをした側)と健側(健常な側)の他動値(主治医が計測する値)を比較して、1/2以下に関節可動域が制限されていると判断されるものが「機能の著しい障害」となり、3/4以下に制限されていると判断されるものが「機能の障害」となります。骨折や脱臼(骨傷)はレントゲンにて確認できます。
ちょっと乱暴ながら、関節患部に痛み止めの注射を行って、痛みから解放させた状態でも、関節の運動に制限があることが認められるのは、骨折後の骨癒合の不整や、欠損、変形治ゆ等であり、このケースでは初診時の傷病名は「膝関節骨折・脱臼」で、その後の症状経過から、「膝関節又は脛骨の癒合不良」、「大腿骨窩部骨の変形」等の傷病名が付されます。
単に可動域の測定値の問題ではありません
関節の機能障害の認定基準は、患側(患部側)と健側(健常側)の関節可動域を医師が測定した他動値にて、患側と健側を比較して、関節によって2/3以下又は1/2以下である場合に、相当な後遺障害として認定されています。医師による他動値の測定結果は評価項目ですが、重要なのは「何故、可動域制限があるか」という原因について医証や画像で確認できることになります。

股関節の機能障害

股関節は臼状関節という多軸関節で、筋肉の働きであらゆる方向に動くことが可能です。
したがって、この関節の動きには周囲の筋肉が非常に大きな役割を果たします。安定性を伴った動きが要求されます。
股関節は筋肉に囲まれていて、屈曲では大腰筋・腸骨筋・大腿直筋が、伸展では大臀筋・ハムストリングが、運動に応じて多数の筋肉が強調しなが股関節を動かしています。

後遺障害の対象となる傷病名は

骨盤骨折後の症状、股関節骨折/脱臼、座骨神経麻痺、関節唇損傷等等になります。

膝関節の機能障害

膝関節は、動きの大きい股関節と地面との調整役である足関節の中間にある関節で、二軸のらせん関節で、中間関節とも呼ばれています。中間関節である膝関節を取り巻く筋肉のほとんどは、2つの関節を跨ぐ2関節筋で、他に跨いでいる関節の状態に大きく左右されます。つまり、動きが大きく安定していない股関節と地面の調整役である足関節の方が機能的に優先されるので、残った膝関節が調整役にならざるを得ません。

後遺障害の対象となる傷病名は
腓骨脛骨高原骨折後、膝内障、靱帯損傷、半月板損傷、腓骨神経麻痺等になります。

動揺関節及び補装具について

動揺関節について
医学上の動揺関節とは、正常範囲を越えた可動域、あるいは性状ではありえない方法への可動性が認められ、その支持性が著しく低下した状態の関節を示します。
外傷による関節靱帯損傷や骨損傷、神経麻痺、関節リウマチ、化膿性関節炎に対する関節切除などが原因で、筋、靱帯、関節包が弛緩したり欠損している時にみられ、靱帯性、骨性、建設性、神経性に分類されます。
後遺障害認定では、この医学的な定義に加え「 常に硬性装具を必要とする場合」に、「1下肢の3大関節の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として第10級11号に該当します。主治医が「動揺関節」と診断書に記載している場合でも、この「硬性装具」の条件を満たしている必要があります。
また、「時々硬性装具を必要とするもの」は第10級に準ずる機能障害として、「重激な労働等の際以外には硬性装具を必要としないもの」は第12級に準ずる機能障害として取り扱われます。
補装具について
動揺関節(関節がある一定の動作に対し不安定となる)が認められ、硬性補装具を必要とする場合には、機能障害として後遺障害が認定されます。
この硬性補装具とは、いわゆるサポーターとは別の物で、医師の指示によって専門の義肢装具業者によって、オーダーメイドされた「硬性=金属製」の物になります。
短下肢装具(AFO)の、オルトップ、アンクルソフト、スピードレーサー、シューホーンレーサーは硬性装具とは見なされません。

人工関節の置換術後

人工関節・人工骨頭を挿入し置換した場合

骨折等の外傷により、人工関節・人工骨頭を挿入し置換する手術が施行された場合には、「関節の機能に著しい障害を残すもの」として第10級11号に該当します。
なお、術後の経過が思わしく無く、その関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限が残遺している場合には、「1下肢の3大関節の1関節の用を廃したもの」として第8級6号に該当します。また、置換術後に可動域制限が1/2以上の場合には「1下肢の3大関節の1関節の機能に障害をのこすもの」として第12級7号に該当します。

歩行障害について

関節痛や神経の痛みにより歩行障害がある場合

神経障害による歩行障害では、殿部から下肢の後面を通り下腿部の下まで放散する痛みとしびれで歩くことが出来なくなります。安静時には全く症状が無く、歩くと痛みやしびれがでて長く歩くことができなくなり、歩行と休息を繰りかえす歩行障害を間欠跛行といいます。 また、下肢の痛みを避けるため、患側への荷重時間を短くするようにする歩き方を有痛性跛行(逃避性跛行)といいます。
歩行障害が認めれられる場合には、その原因について主治医に説明を受けて、痛みが軽減せず歩行に異常が続く場合には、神経症状として後遺障害に該当します。

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