加害事故による後遺障害の認定

自動車事故の人身事故による負傷者数は、2012年で82万4539人に及びますが、その後後遺障害として認定される方は凡そ5%です。自転車事故による統計はありませんが、自動車事故と同等としても、おケガをされた20人に1人の方が後遺障害が認定される程の負傷を負った事になります。

自転車加害事故では後遺障害を認定する機関がありません

後遺障害とは、労働者災害補償法(労災)に規定されているもので、労災の場合には、事業所を管轄する労働基準監督署(労基署)が認定を行い、自動車事故における場合には、自賠責保険によってその規定が準用され、損害保険料率算定機構の自賠責損害調査事務所がその損害調査を行い認定をしています。通勤時の事故でそれが労災における通勤災害に認められる場合には、事業主から労基署への手続きをされるべきです。
これに対して、自転車同士又は自転車と歩行者の事故の場合では、残存している症状を後遺障害として認定する機関がありません。(労働災害を除く)
加害者に責任があり、それを損害保険を利用して賠償をする場合には、その保険を請けている損害保険会社との交渉になります。
損保会社は被害者より提出された医証を基にして、自社の裁量には後遺障害の認否を判断します。これは自動車事故における「事前認定」といわれるものと同様です。
したがって、当事者間で後遺障害の認否について争いが生じた場合には、訴訟によって裁判所が認定する事になります。

当事者間での後遺障害認定

相手方の加害行為によってケガをされ、医療機関へ半年以上の通院をされ、かつ、その間に4週間以上の通院中断が無く、症状が残存し、日常生活や仕事において支障を来している方は、その症状は後遺障害に相当する場合があります。
上述の通り、後遺障害を認定する機関はありませんので、相手方にその症状が後遺障害である事を認めて頂く事になります。
この場合は、相手方が加害者本人(加害者が未成年である場合には親権者)が、それを認めるケースと、本人が契約している保険によりその損害保険会社が認めるケースがあります。
本人が認める場合には賠償資力の問題が発生します。一方、損保会社が認める場合には、その損保会社の裁量による判断という手続きが必要となります。
いずれもケースでも、医療機関において症状固定となり、残存する症状が診断書や画像所見によって医学的に証明又は説明できるものである事が前提条件となります。

後遺障害の立証責任は被害者にあります。
相手方が自主的に後遺障害を認める事はありません。後遺障害に該当すべきとの主張の立証責任は被害者にあります。これが法令の原則になります。
後遺障害とは「事故と傷病や症状の相当因果性が在り」その上で「医学的に証明できる」ものですので、これを被害者が事実に基づく証拠によって立証する責任があります。
その上で、相手方に後遺障害として認めさせ、その将来分の補償を求償することになります。

後遺障害と賠償の問題

傷害分と後遺障害分
傷害分とは、事故受傷より治癒又は症状固定までの期間の必要かつ相当な実費、いわば現実の損害を意味します。
これに対して、後遺障害分とは、症状固定日以降の将来分の保障です。認定された後遺障害の等級に応じて、加害者に損害賠償の責任を負わせることになります。 後遺障害分
障害分と後遺障害分では、高齢者の方(収入が無い方)以外は、障害分よりも後遺障害分が多くなります。
障害の程度=等級に応じて、神経症状では将来の補償期間は2~10年に制限されることになりますが、その他の障害では、症状固定日の年齢を始期として、終期は67歳となり、その間の補償が受けられることになります。つまり、後遺障害の等級とは、事故全体の損害賠償額を算定する基準となります。
後遺症が残ったでは、損害賠償に反映させることは難しいのが実情で、相手方に後遺障害を認めさせることが重要になります。
まれに、自転車同士の事故でも、相手方損保に後遺障害を認定させたケースがあります。
また、相手方が後遺障害を認定しない場合には、裁判(民事訴訟=損害賠償事件)にて、裁判官の心証を形成して、後遺傷害分の賠償を求めることになります。

見えにくい障害(痛みやしびれ等の症状)

なかなか認定されにくいの 実情です。

後遺障害には、醜状・欠損・短縮等の分かり易い障害と、神経症状等の目に見えにくい障害があり、前者では、医師も診断書への所見は簡略化しても問題がありませんが、後者の場合には、その認定基準はいわば結果を示すのもので、明確な基準や規定が無い事にもよると思います。
そもそも痛みは患者の主観によるもので、後遺障害として認定されるには、どう様な検査や所見が有位であるかを主治医は知る由もありせん。
見えにくい障害は、画像に映らない、検査によって数値化できない、体表面に変化が出ないことによって、神経症状は読めない障害となり、その結果が後遺障害に該当しないとなりかねないのが実情です。

通院先の医療機関との問題

治療に伴う費用負担

事故直後に医療機関へ治療に行く際には、どの様な状況でケガをされたかによって、相手方の加害行為である場合には、通常は相手方がその費用を支払う事になります。
一般的に、医療機関では、この加害行為により治療等は全額実費(10割負担)となります。
ご存知の通り、ご自身の健康保険による治療の場合には、保険者負担と自己負担の率が決められていますので、国民健康保険の場合では3割負担となります。
現実的には、受診された被害者の方が、立て替えの支払をして、それを適宜に相手方へ請求して、それを支払ってもらう事になります。

後遺障害認定の前提条件

労働災害・自動車事故の「後遺障害」とは、事故により受傷したケガに、医学的な所見が認められ、かつ一貫して継続的に治療を受けたにも係わらず、医学上の一般に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待し得ない状態(療養の終了)で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態(症状の固定)に達した時に、認められる症状に対して、治療にあたっている医師より「これ以上は治療を続けても症状に変わりがない」という状態、「症状固定」という状態に至ったと判断されるときに、その医師に後遺障害診断書を作成してもらい。この診断書に基づいて後遺障害の等級の認定を受けた障害のことを示します。
後遺障害認定の前提条件は、医療機関への半年間以上の通院加療と、かつ、その間に4週間以上の通院の中断が無い事になります。通院の目安としては半年間に40日以上となります。

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