後遺障害認定の基本事項

準則としての、併合、準用、加重

障害等級認定にあたっての基本的事項は「障害補償は、障害による労働能力のそう失に対する損失てん保を目的とするのである。したがって、負傷又は疾病がなおったときに残存する当該傷病と相当因果性を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力のそう失を伴うものを障害補償の対象とする」と規定されています。
この原則に対して、準則として、1 併合の場合、2 準用の場合、3 加重の場合について、それぞれが規定されています。

障害等級認定にあたっての原則と準則

系列を異にする身体障害が2つ以上在る場合

「併合」とは、系列を異にする身体障害が2以上在る場合に、重い方の身体障害の等級によるか、又はその重い方の等級を1級ないし、3級を繰り上げて当該複数の障害の等級とすることをいう。(2)併合して等級が繰り上げられた結果、障害の序列を乱すこととなる場合は、障害の序列にしたがって等級を定めることとなる。ロ 1の障害が観察の方法によっては、障害等級表上の2以上の等級に該当すると考えられる場合があるが、これは、その1の身体障害を複数の観点(複数の系列)で評価しているにすぎないものであるから、この場合にはいずれかの上位等級をもって、当該等級を評価する。」と規定されています。

併合障害とは

等級の繰上げ

併合とは、障害の系列を異にする身体障害が2以上ある場合に、重い方の身体障害の等級によるか、又はその重い方の等級を1級ないし、3級を繰り上げて当該複数の障害の等級とすることをいいます。
併合して等級が繰り上げられた結果、障害の序列を乱すこととなる場合は、障害の序列にしたがって等級を定めることとになります。この障害の序列とは、障害等級表は労働能力の喪失の程度に応じて身体障害を1級から14級までの14段階に区分しており、この場合の同一系列の障害相互間における等級の上位、下位の関係をいいます。
自賠法施行令による等級の繰上げ=併合

等級の繰上げ=併合

関節の機能障害と神経症状の組合せ
機能障害と神経症状の組合せ

体幹骨の変形・運動障害と神経症状の組合せ
変形・運動障害と神経症状の組合せ

上肢や下肢の関節を骨折又は脱臼した事が原因で、人工関節が置換された又は関節可動域に制限を残したものとして後遺障害が認定された場合に、骨折・脱臼によって神経症状が出現しその障害が頑固な神経症状として12級13号として認定された場合には、関節機能障害の等級が1つ繰上る事になります。
この場合の頑固な神経症状とは、医学的に証明できるものであり、経過診断書には「○○骨折」との傷病名から、骨の癒合や抜釘術後に「○○神経障害」や「○○麻痺」との傷病名が付され、その傷病に対してペインクリニック等の専門的な治療が施行されるも、症状が残存した場合に認められるものになります。

併合が想定される傷病名
医学上の傷病名は、「解剖学的部位名」+「外傷態様」で表します。「左肩甲骨骨折」や「右肩関節脱臼」が外傷性傷病名になります。 これに対して、「症」・「病」・「症候群」・「障害」という傷病名は、外傷性の傷病によって至った病態を示す傷病名になります。

通常派生する障害
「1の身体障害に他の身体障害が通常派生する関係に有る場合は、いずれか上位の等級をもって、当該障害の等級とする。」とされています。例示、1上肢に偽関節を残すもの(第8級8号)とともに、当該箇所に頑固な神経症状を残した(第12級13号)場合は、上位等級である第8級8号をもって当該等級とする。

準用

等級表以外の身体障害に適用

準用の場合(1)障害等級表に掲げるもの以外の身体障害については、その障害の程度に応じ,障害等級表に掲げる身体障害に準じて、その等級を定めることとなるが、この「障害等級表に掲げるもの以外の身体障害」とは、次ぎの2つの場合をいう。」
第14級の後遺障害は1~10号までですが、準用の場合には30号と表記されます。

加重

同一部位、既存障害(既往症)と事故受傷後の規定

既に身体障害のあった者が業務災害(又は通勤災害)によって同一の部位について障害の程度を加重した場合は、加重した限度で障害補償を行う。」、「(ロ)「加重」とは、業務災害によって新たな障害が加わった結果、障害等級表上、現存する障害が既存の障害より重たくなった場合をいう。
したがって、自然的経過又は障害の原因となった疾病の再発など、新たな業務災害以外の事由により障害の程度を重くしたとしても、ここにいう「加重」には該当しない。
また、同一部位に新たな障害が加わったとしても、その結果、障害等級表得、既存の障害よりも現存する障害が重くならなければ「加重」には該当しない。」、「(ハ)ここにいう「同一の部位」とは、前記第3節の2の「同一系列」の範囲内をいう。」と規定されています。

同一部位
身体障害は解剖学的な県展から10の部位に区分されています。
(1)眼、(2)耳、(3)鼻、(4)口、(5)神経系統の機能又は精神、(6)頭部・顔面・頚部、(7)胸腹部臓器、(8)体幹、イせき柱・ロその他の体幹骨、(9)上肢(右又は左)イ上肢・ロ手指、(10)下肢(右又は左)イ下肢・足指。(上肢及び下肢は、左右一対をなす器官ですが、左右それぞれを別個の部位としています。)

既存障害(既往症)と事故受傷後の障害
事故前の障害が後遺障害として認定されていた場合には上記加重により、事故後の障害程度が判断されることになります。厄介なのは「既往症=持病」と事故受傷後の障害についての関係です。腰痛で通院履歴があった方が事故により腰痛捻挫と診断され、腰痛の程度が増悪した場合には、事故前の治療状況や症状経過等が確認できる医証が無い場合には、神経症状を残すものとして認定されない傾向にあります。

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