膝関節の可動域制限

器質的な外傷性損傷が画像で確認できる事が前提条件

関節の機能(運動)障害を起こしている原因が、器質的損傷(解剖学的にカタチのあるもの)によるものであることが確認できる事が前提条件になります。 この器質変化には、骨折・脱臼以外にも、関節それ自体の破滅や硬直によるもののほかに、関節外の軟部組織の変化によるものも含まれます。

外傷性傷病名と病態

医学上の傷病名は、「解剖学的部位名」+「外傷態様」で表します。「左膝高原骨折」や「右膝十字靱帯断裂」が外傷性傷病名になります。 これに対して、「症」・「病」・「症候群」・「障害」という傷病名は、外傷性の傷病によって至った病態を示す傷病名になります。

関節の可動域障害認定基準

患側と健側の他動値を比較して、屈曲と伸展の合計他動値によって評価が行われます。1/2以下の場合には10級11号、3/4以下の場合には12級7号との認定になります。

膝関節可動域障害

障害の序列

膝に人工関節を置換した場合には10級10号に認定されます。これに対して、膝関節の可動域制限が1/2以下の場合には10級11号になります。
どうやら、膝関節の症状が重篤な場合には、医師は人工関節置換を進めますので、その処置を患者の意思で選択しなかった場合には、12級相当との評価になる様子です。

下肢関節可動域表示と測定要領

膝関節の骨折・脱臼後の症状

膝関節は下肢を動かす機能(可動性)と、体を支える機能(支持性)の2つの大切な機能があり、人体では最も負荷の大きい関節です。立位のとき、膝関節にはほぼ全体体重がかかり。平地歩行では体重の1.5~2倍、階段昇降では2~3倍の、走ったりジャンプ・着地などの運動時には最大で7倍の負荷となることがあります。
膝関節は立つ・座る・歩くといった基本動作に大きな役割を果たすため、痛みや関節可動域制限が起こると日常生活動作(ADL)への影響が大きいのが特徴です。

人工関節の置換術後

人工関節・人工骨頭を挿入し置換する手術が施行された場合には、「関節の機能に著しい障害を残すもの」として第10級11号に該当します。
なお、術後の経過が思わしく無く、その関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限が残遺している場合には、「1下肢の3大関節の1関節の用を廃したもの」として第8級6号に該当します。また、置換術後に可動域制限が1/2以上の場合には「1下肢の3大関節の1関節の機能に障害をのこすもの」として第12級7号に該当します。

痛みの出る場所・状況による鑑別

自覚症状を主治医やリハビリの療法士に伝える時のポイント

痛みの出る場所
内側、外側、前方
痛みの出る状況
安静時・夜間、歩き始め・動き始め、長時間の歩行・立位、階段昇降時・立ち上がり時
膝内障
膝(ひざ)の関節を構成している骨、半月板(はんげつばん)、靱帯(じんたい)、関節軟骨などの要素のいずれかに傷があり、そのどれが原因であるかはっきりしないけれども、腫(は)れや痛みなどの症状がある、といった場合に、「膝内障」という病名が使われます。検査などによって原因がはっきりした時点で、それぞれの病名をつけることになります。

靱帯の損傷

靱帯は骨と骨をつなぐもの

骨折と同時に靱帯の損傷が判明しその傷病名が初診月の診断書に記載されている場合には、問題がありませんが、厄介なのは、当初は痛みが強くレントゲンのみにて「骨傷なし」と診断され、その後3ヶ月以内に靱帯損傷が判明したケースです。 前十字靱帯(ACL)・後十字靱帯(PCL)は、膝の前後の動きを安定させる役割。内側(MCL)・外側側副靱帯(LCL)は、膝の内側と外側の動きを安定させる役割。膝関節に生理的可動域を越えた運動が強制された場合に起こり、前十字靱帯は着地や方向転換で、後十字靱帯は接触で、内側側副十字靱帯は外反(ねじれ)たときに損傷しやすいとされています。
受傷時にPOP音が聞かれることもあり、受傷直後から膝関節痛、血腫、膝くずれ、不安定が生じます。前十字靱帯の損傷では、膝くずれが起きると二次的に半月板損傷や軟骨損傷を引き起こすこととなります
診断には、各種の徒手検査、ストレスX線、MRI検査などで総合的に判断され、靱帯損傷は、最小限度の断裂、部分断裂、完全断裂と3段階に分類されます。

動揺関節及び補装具について

動揺関節について
医学上の動揺関節とは、正常範囲を越えた可動域、あるいは性状ではありえない方法への可動性が認められ、その支持性が著しく低下した状態の関節を示します。
外傷による関節靱帯損傷や骨損傷、神経麻痺、関節リウマチ、化膿性関節炎に対する関節切除などが原因で、筋、靱帯、関節包が弛緩したり欠損している時にみられ、靱帯性、骨性、建設性、神経性に分類されます。
後遺障害認定では、この医学的な定義に加え「 常に硬性装具を必要とする場合」に、「1下肢の3大関節の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として第10級11号に該当します。主治医が「動揺関節」と診断書に記載している場合でも、この「硬性装具」の条件を満たしている必要があります。
また、「時々硬性装具を必要とするもの」は第10級に準ずる機能障害として、「重激な労働等の際以外には硬性装具を必要としないもの」は第12級に準ずる機能障害として取り扱われます。
補装具について
動揺関節(関節がある一定の動作に対し不安定となる)が認められ、硬性補装具を必要とする場合には、機能障害として後遺障害が認定されます。
この硬性補装具とは、いわゆるサポーターとは別の物で、医師の指示によって専門の義肢装具業者によって、オーダーメイドされた「硬性=金属製」の物になります。
短下肢装具(AFO)の、オルトップ、アンクルソフト、スピードレーサー、シューホーンレーサーは硬性装具とは見なされません。

半月板の損傷

半月板は膝に係る体重を分散させるクッション

半月板は線維軟骨からできている三日月形の組織で、大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)の内側と外側の関節のすきまにあります。関節の適合性や安定性をよくし、荷重を吸収分散して円滑(えんかつ)な動きをさせるクッションとローラーベアリングの働きがあります。膝に衝撃やねじれが加わり、半月板に亀裂が生じると半月板損傷と診断されます。その損傷は縦断裂、横断裂、水平断裂、弁状断裂の形態があります。
早期にMRI検査にて確認を
自覚症状は、膝が痛い・曲がらないことですが、屈伸運動の際にコクンという音やクリッ区、引っかかり感などと伴うことがあります。膝の捻挫(ねんざ)に伴う発症では、半月板単独の損傷と、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)損傷や側副(そくふく)靭帯損傷に合併して生じている場合もあります。半月板や靱帯の損傷はMRIにて確認できます。

神経の障害

骨折・脱臼後に患部以外の部位(下肢や足趾)に神経障害が出現した状態では、神経症状として認定される場合があります。関節の機能障害もある場合には、併合として1級繰り上がる場合があります。この際は神経症状の立証が必要になります。腓骨や橈骨神経の異常として、診断書に神経障害の傷病名の記載が必要になります。

薬物療法の有無

膝関節の痛みに対して薬物療法が施行されいる事が、後遺障害認定においては有位な評価がなされる傾向にあります。
この薬物療法は、膝関節内注入又は神経ブロック療法であり、関節痛の軽減と関節症の進行を遅らせる目的で行われ、通常は週1回の割合いで4~5週続けて行われ、その経過を主治医が観察します。この療法によってその処置後には痛みが消失しますが、その後も出現して継続しても効果が得られない場合には、後遺障害として認定される見込みがある事になります。

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