関節の可動域制限、機能や運動障害

外傷による傷病名と病態や病変を示す傷病名

外傷性傷病名と受傷機転、即時性発症

自賠責における障害認定は、事故に遭われた時が最も重篤として初診・初療時の傷病名を出発点としています。これが即時性発症の原則となります。
自賠責における障害認定は、事故に遭われた時が最も重篤として初診・初療時の外傷性傷病名を出発点としています。医学上の傷病名は、「解剖学的部位名」+「外傷態様」で表します。「右肩関節脱臼」や「左脛骨高原骨折」が外傷性傷病名になります。 これに対して、「症」・「病」・「症候群」・「障害」という傷病名(「肩関節拘縮」や「膝内障」等)は、外傷性の傷病によって至った病態を示す傷病名になります。
これを関節の機能傷害に置き換えると、骨折又は脱臼が受傷後のレントゲンで確認できる(骨傷が認められる)場合が該当します。また、靱帯や腱の損傷がMRIなどの画像によって確認できる場合が該当します。
仮に、初診時に外傷性の傷病名があり、患部に観血的(手術)治療が行われ、その後患部そのものは良好な経過を辿った(骨癒合など)が、関節の機能に障害が残遺してしまった場合には、○○症という傷病名が付けられます。 この○○症とは、現在の状態を示すものであり、関節の機能障害に及んだ結果となります。

関節の機能障害とは

解剖学的に形のある「器質的損傷」が画像で確認できる

関節の機能障害は、欠損障害と機能障害と変形障害の3つに分けられています。

欠損障害や変形障害については、画像で確認できるもので、自賠責保険の後遺障害とは別に、行政機関が行う「身体障害」に該当する場合が多く、それぞれの障害を認定基準にあてはめる事で自ずと等級が決まります。
これに対して機能障害の「関節の機能に障害を残すもの」とは、自賠責における後遺障害の認定基準は、関節部の器質的な損傷によって、関節に機能障害を残したものとしての結果を示すものです。その障害の原因となるカタチが分かることが重要であり、関節部の器質的な損傷によって、関節に機能障害を残したものであり、単に可動域の測定角度によるものではありません。
また、欠損や変形障害との違いは、関節の可動域角度を、患側(ケガをした側)と健側(健常な側)の他動値(主治医が計測する値)を比較して、障害程度の評価がなされることです。

関節の痛みによる可動域障害

機能的変化(麻痺・疼痛・緊張)が原因の関節可動域障害

関節の運動を制限する原因が痛みの場合

関節に痛みの場合にはその原因は機能障害とされ、後遺障害認定基準では神経症状として取り扱われます。
残存する痛みが、骨折や脱臼などの受傷部位の場合には、疼痛等感覚障害として「受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの」は14級に、「通常の労務には服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあるもの」が12級として認定されます。
一方、外傷性傷病名に対する治療と経過観察が施行された後に、神経性の障害が通常発生しない受傷部位以外に出現した場合には、「局部に神経症状を残すもの」もしくは「局部にがん固な神経症状を残すもの」として、機能障害とは別に認められる場合があります。
また、関節の可動域制限の理由が疼痛による場合には、関節炎や症という新たな傷病名が加わり、それに対して治療と経過観察が施行されてものなお、疼痛が残遺してる場合には、関節の機能障害ではなく、神経障害としての認定となります。

関節の拘縮と神経麻痺

拘縮とは、関節包外の軟部組織が原因でおこる関節可動域制限のことである。生理学的には活動電位の発生の停止により筋が弛緩しなくなる現象で、これに対して、強直とは関節部の骨および軟骨の変形や癒着が原因でおこる関節可動域制限のことで、原則として健側の可動域に対して10%程度以下に制限を受ける程度のものとなります。
神経損傷の場合には、電気生理学的な検査や理学所見によって立証します。
例示、「ひざ関節(屈曲)に大きな可動域制限があり、健側の可動域が130度である場合は、可動域制限のある関節の可動域が130度の10%を5度で切り上げた15度以下であれば、ひざ関節の強直となる。」
実務上、「拘縮」と書かれた診断書を拝見しますが、医師が臨床において使用する拘縮は広義であり、自賠責の認定基準では狭義な規定がありますにで、かならずしも診断書に拘縮との記載があっても、それによって確実に障害認定に至るという効果は期待できず、主治医の感覚とは異なって、上記の基準に至るケースが少ないと感じています。

動揺間節と補装具

補装具とは、「障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間に渡り継続して使用されるものその他の厚生労働省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車いすその他の厚生労働大臣が定めるもの」(障害者自立支援法第5条第19項)

装具の問題

動揺関節(関節がある一定の動作に対し不安定となる)が認められ、硬性補装具を必要とする場合には、機能障害として後遺障害が認定されます。
この硬性補装具とは、いわゆるサポーターとは別の物で、医師の指示によって専門の義肢装具業者によって、オーダーメイドされた「硬性=金属製」の物になります。

人工骨頭・人工関節置換後

置換がなされた時点で10級10号の認定

人工関節への置き換え手術が施行された場合には、「人工骨頭または人工関節を挿入置換したもの」として10級10号に認定されます。
人工関節の場合、脱臼予防の観点から関節の可動域には一定の制限が指導され、一部の運動に制限が残りますが、疼痛の著しい軽減や日常生活動作の改善を得ることができます。
人工関節は関節部分の摩耗やゆるみのために再置換術が必要となるケースもありますが、現在では術後10年後の耐久性は90%を越えています。
この再置換術までの期間については主治医よりの説明を良く聞いて下さい。後遺障害認定後の損害賠償請求時には、将来の治療費として再手術に係わる費用一式を求償する事になります。

関節機能障害認定の損害賠償上の効果

後遺障害分とは将来の補償です。

後遺障害が認定された場合の損害賠償の求償は、事故受傷日より症状固定日までの必要かつ相当分である傷害分に、症状固定日以降の将来分に対する補償である後遺障害分が加算される事になります。
この後遺障害分は、慰謝料と逸失利益に分かれ、慰謝料については等級に応じた基準に基づいて算定されます。
次の逸失利益とは、「労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の不利益の可能性、日常生活上の不便等を考慮して算定を行う」とされ、具体的には、事故前年の基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間にて算出されます。
この労働能力期間は、始期は症状固定時の年令で終期は67歳になります。症状固定時に35歳だった方は終期までの32年間分の補償が得られる事になります。一方、関節の機障害では無く神経症状と判断された場合には、この期間は14級では5年、12級では10年以内に制限されますので、この逸失利益に大きな差が生じる事になります。

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