肩関節の可動域制限・機能(運動)障害

器質的な外傷性損傷が画像で確認できる事が前提条件

単に計測された可動域角度の問題ではありません

関節の機能(運動)障害を起こしている原因が、器質的損傷(解剖学的にカタチのあるもの)によるものであることが確認できる事が前提条件になります。 この器質変化には、骨折・脱臼以外にも、関節それ自体の破滅や硬直によるもののほかに、関節外の軟部組織の変化によるものも含まれます。

外傷性傷病名と病態

医学上の傷病名は、「解剖学的部位名」+「外傷態様」で表します。「左肩甲骨骨折」や「右肩関節脱臼」が外傷性傷病名になります。 これに対して、「症」・「病」・「症候群」・「障害」という傷病名は、外傷性の傷病によって至った病態を示す傷病名になります。

関節の可動域障害認定基準

肩関節は様々な運動がありますが、主要運動の他動値にて評価が行われます。主要運動は屈曲(前方挙上)・外転(側方挙上)・内転の3つです。
患側と健側の他動値を比較して、1/2以下の場合には10級11号、3/4以下の場合には12級7号との認定になります。

肩関節の可動域測定

上肢関節可動域表示と測定要領

認定基準の例示

例示1.肩関節の屈曲の可動域が90度である場合、健側の可動域角 度 が170度であるときは、170度の1/2である85度に10度を加えると95度となり、患側の可動域90度はこれ以下となるので 、肩関節の参考運動である外旋・内旋の可動域が1/2以下に制限されていれば、著しい機能障害(第10級 の9)となる。
2.肩関節の屈曲の可動域が130度である場合、健側の可動域角度がl70度であるときは、170度の3/4である127.5度に5度を加えると132.5度となり、健側の可動域130度はこれ以下となるために、肩関節の参考運動である外旋・内旋の可動域が3/4以下に制限されているときは、機能障害(第12級の6)となる。

痛みによる可動域制限

痛みが原因の場合には神経症状として評価がなされます。

損傷している状態がカタチで確認できるか、疼痛か

症状固定時に関節の可動域障害が残存している場合には、健側(負傷していな方)と比べて、関節そのものカタチが損傷し、動かしたくても動かせない状態が確認できる場合には、関節の機能障害として評価がなされます。
これに対して、カタチに異常は無いが、痛みから動かすことができない状態の場合には、神経症状として評価されることになり、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号が想定されます。
この神経症状として評価は、関節の可動域が1/2・3/4以上や以下の場合でも、機能障害としての評価では無く神経症状として扱われます。

肩関節の周囲炎

肩関節周囲炎には、肩峰下滑液炎あるいは瞼板炎、腱板断裂、上腕二頭筋長頭腱炎があります。症状は肩関節の可動域制限と疼痛です。
上腕神経叢麻痺、神経根引き抜き損傷。

肩関節の腱板損傷(腱板=肩の筋肉)

腱板損傷がMRI画像にて確認できることが前提条件になります。

腱板とは肩の関節を安定化させるために働く小さな4つの筋肉

肩関節(かたかんせつ)は、動きの大きい関節で、腱板は棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つからなりますが、最も傷みやすいのが棘上筋腱です。 肩腱板は骨と骨(肩峰(けんぽう)と上腕骨頭(じょうわんこつとう)にはさまれているので損傷されやすく、また老化によっても変性します。
腱板損傷とは、腱板炎や腱板断裂(部分断裂、完全断裂)など、すべての腱板の疾患を含んだ総称です。
したがって、安静や外来治療で治癒するような腱板の軽い炎症や軽度の部分断裂も腱板損傷に含まれることになります。本当に手術が必要なのは重度の部分断裂や完全断裂がほとんどです。
医師から腱板損傷と言われた場合は、どの程度の腱板損傷なのか(腱板炎なのか、部分断裂なのか、完全断裂なのか)の説明を求めて下さい。

徒手検査 有痛弧徴候、インピジメント徴候、ドロップアームテスト

肩関節唇損傷後の障害(痛みや可動域制限)

痛みが持続する場合にはMRI検査を

関節唇という軟骨が関節窩からはがれ、肩が抜けそうな感じ

肩関節は、球状の上腕骨骨頭がソケット状の肩甲骨関節窩にはまり込むような形になっています。
関節窩の表面積は骨頭の30%にしか過ぎず、骨性の安定性はほどんどなく、肩甲上腕関節を安定させているのは、関節唇、靱帯を含めた関節包、上腕二頭筋長頭腱、腱板という軟部組織になります。
関節唇は、関節窩の全周を取り巻く線維性の組織で、関節窩の浅さを補うように骨頭に対する表面積を拡大し、包むようにして適合性を高めて、肩関節の安定性の大きな部分を占めています。
疼痛の性状にcatching(引っかかり感)やlocking(伸展に支障を生じる)などがあれば関節唇損傷が疑われます。
手術適用となるケースもありますが、従前の状態までの回復は困難とされています。
手術の前に症状固定として、被害者請求にて後遺障害の認定を求め、その結果を得てから、将来の治療として、手術の可否を検討されることになります。

肩関節の骨折後の症状

肩関節部の骨折には、鎖骨骨折、上腕骨近位端骨折、肩甲骨骨折などがあり、肩関節の脱臼には肩関節脱臼、肩鎖関節脱臼などがあります。
骨折癒合の異常経過としては、変形癒合と遷延治癒があり、変形癒合とは、解剖学的なアライメントと異なった異常な形態で癒合が完成した状態。整復位不良のまま固定が行われた場合や、整復位が保持できなかった場合などに角状変形(内反、外反、あるいは屈曲)、回旋、短縮変形などが起こることがある。遷延治癒とは、骨折癒合に予測される期間を過ぎても骨癒合がみられないものをいう。

外傷性肩・肩鎖関節脱臼

関節のなかで、可動範囲がいちばん広い肩関節(かたかんせつ)は、脱臼がおこりやすい関節です。ほとんどの脱臼は、上腕骨骨頭が前の方に外れる前方脱臼ですが、外力の方向により後方脱臼をおこすこともあります。肩鎖関節脱臼は鎖骨のいちばん外側である肩峰のところが脱臼し、段がついたようにみえます。

肩鎖関節損傷

肩鎖関節損傷とは、肩からの転倒や衝突で、肩外側の強打により肩甲骨の肩峰が下方へ押し下げられ、肩鎖骨遠位端と肩甲骨の肩峰をつなぐ肩鎖靱帯、鎖骨と肩甲骨の烏口突起をつなぐ烏口 鎖靱帯の損傷です。
損傷の程度によってⅠ度(捻挫)、Ⅱ度(亜脱臼)、Ⅲ度(脱臼)に分類され、Ⅰ・Ⅱ度は保存的治療となり、Ⅲ度は手術対応になります。

胸郭出口症候群

頚椎捻挫や肩周囲の外傷で発症する場合があります。

鎖骨窩から第1肋骨と鎖骨、鎖骨の下の烏口突起に付着する小胸筋までの隙間を胸郭出口といい、この部分で神経や血管の圧迫、牽引による上肢のしびれやだるさ、痛みなどの症状が引き起こされる疾患です。
他覚的な神経脱落症状はあきらかでない場合が多く、自覚症状のみで、発汗症状やめまいや嘔気などの自立神経症状を伴うこともあります。

理学診断、モーレーテスト、アドソンテスト、ライトテストで診断します。

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