骨折後の運動障害

関節の可動域障害、「関節の機能に著しい障害を残すもの」

関節そのもののカタチに異常が認められること

関節そのものや関節周囲の骨折後に、その関節の可動域が制限される症状が残遺した場合には、運動障害として後遺障害の評価がなされます。
「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは, 関節部の器質的な損傷によって、関節に機能障害を残したものとしての結果を示すものです。
関節の可動域角度を、患側(ケガをした側)と健側(健常な側)の他動値(主治医が計測する値)を比較して、1/2以下に関節可動域が制限されていると判断されるものが「機能の著しい障害」となり、3/4以下に制限されていると判断されるものが「機能の障害」となります。
関節によって、運動方向の指定があり、測定値は5度単位になります。

関節の用を廃したものとは

関節部の骨折後、患部の機能障害の前提条件と認定基準

関節の機能障害の前提条件

関節可動域障害は、その障害の原因となる器質的変化(関節自体の破壊・強直、関節軟部組織の変化や、当該関節の骨傷等)が、該当する関節にカタチとして画像等によって確認できることになります。したがって、障害程度の評価は、単に障害を被った関節の可動域の測定結果によるものとはなりません。

三大関節は、上肢では肩・ひじ・手、下肢では股・膝・足関節を示します。

後遺障害の認定基準にて「関節の用を廃したもの」とは、次のいずれからに該当するものという。
a 関節が強直したもの、
b 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの、
c 人工関節・人工骨頭を挿入した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの。
ただし、肩関節にあっては、肩甲上腕関節が癒合し骨性強直していることがエックス線写真により確認できるものを含む。
と規定されています。
その上で、三大関節中の2関節の用を廃したものが第6級、1関節の用を廃したものが第8級と規定されています。

 

関節周囲の骨折後の運動障害

障害される関節・骨格の異常による運動障害

関節の機能障害の前提条件

関節そのものの骨折ではなく、その周囲を骨折した場合、靱帯等の軟部組織の損傷が伴い、関節の可動域制限が残存した場合には、関節の機能障害として障害程度の評価がなされることがあります。

  

骨折により軟部組織の損傷を伴うケース

器質的損傷や変化の場合は、MRIにて確認できること

関節の機能障害の前提条件

靱帯は、関節外側に位置する骨と骨をつなぐ靭帯。関節の過度の動きを制限し、安定性を得る機能を持ちます。 関節周囲の骨折により靱帯や他の軟部組織が損傷していることが、CT又はMRIにて確認できる場合には、関節の機能障害として障害程度の評価がなさます。

  

骨折後の歩行障害

障害される関節・骨格の異常による歩行障害

下肢の骨折により歩行障害が残存した場合には、歩行障害の原因について主治医より後遺障害診断書に所見を頂き、その原因により障害程度の評価が成されます。 歩行障害で医師が観察する点は,
・歩幅(step length,一歩の長さ),
・歩隔(base または stance,両足の踝間の前額面での長さ),
・歩調(cadence,1 分間の歩数),
・姿勢(頭部・四肢・体幹・骨盤の角度と動き,股関節,膝関節の可動範囲),
・腕の振り,足の背屈の程度,足底の接地部位,両股の外旋の程度,視線の向き。
などになります。

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