骨折後の後遺障害

変形障害と運動障害に大別されます。

後遺障害認定には半年以上の通院が必要です。

一般的には、外傷性骨折後に整復術が施行され、骨の癒合が得られるまでの期間は、凡そ12~14週間になります。
整復術後は通院加療となり、骨の癒合状況やギプスの具合などの経過観察が行われ、凡そ3か月経過後に何からしらの異常が無い場合には治ゆとなります。
一方、整復術時に骨を固定する金属を付けた場合には、その金属を取り除く抜釘術が、整復術から凡そ3か月以上経過し、かつ、骨の癒合が得られた事が確認できた後に施行されます。
抜釘術後は、1か月程度の経過観察が行われ、何からしらの異常が無い場合には治ゆとなります。(※骨折部位や損傷の程度、術式によって異なりますので、必ず主治医へご確認されて下さい。)
いずれも治ゆとならず、何かしらの障害や症状が残存している場合には、それらが後遺障害の対象となります。
せき柱(頚椎・胸椎・腰椎)及びその他の体幹骨(鎖骨、胸骨、ろく骨、肩甲骨、骨盤骨)の障害については、その変形障害及び運動障害として、後遺障害の基準があります。

骨折後の症状経過

骨癒合後の治療・経過観察が重要です

他院後の通院加療がポイント

骨折後の後遺障害には、骨折した骨の短縮障害や、骨折後の癒合不良による変形と、人工関節への置換など、病院での診断や施行された処置が画像で確認できる事により、後遺障害の認定においては、想定される等級に収まる事案が多いものです。
一方、骨折部周辺の痛みや痺れが残存した場合には、骨折後の骨の癒合が十分に得られているので、神経の損傷の有無や、靱帯や腱の損傷等についての画像診断や理学診断を伴わない場合には、主治医は単に自覚症状として所見を記すだけでは、後遺障害に該当しません。骨折の予後に関する所見以外に必要とされる検査や所見があります。
骨折整復時に金属プレートを固定し、その後骨の癒合が得られた時点で抜釘術が施行され、その後に神経症状を呈するケースもあり、これは医療過誤では無く、後遺障害としての認定を求めることになります。
また、骨折した骨が関与する関節の可動域の制限が生じた場合には、骨の癒合が十分得られ、骨の構造上、関節可動域に影響がないと判断され、後遺障害に該当しないケースもあります。これも、関節部の神経の損傷の有無や、靱帯や腱の損傷等についての画像診断や理学診断が必要となります。
骨折の整復手術後の経過観察は、凡そ4週間に1度ほどですが、骨のゆごうが得られた後に、患部に疼痛が続く、周辺の関節の可動域が低下している等の症状が残った場合には、その後も3ヶ月以上は通院されて、主治医が治療を行い、経過観察がなされ続けていることが、後遺障害認定の前提条件になります。
術後の経過観察は、必ず月に1度は受診して下さい。
この毎月の受診履歴は無い場合には、症状経過において、本件事故による受傷と相当因果性が無いと判断され、後遺障害としては非該当になります。

骨折後の運動障害

関節の可動域障害、「関節の機能に著しい障害を残すもの」

関節そのもののカタチに異常が認められること

関節そのものや関節周囲の骨折後に、その関節の可動域が制限される症状が残遺した場合には、運動障害として後遺障害の評価がなされます。
「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは, 関節部の器質的な損傷によって、関節に機能障害を残したものとしての結果を示すものです。
関節の可動域角度を、患側(ケガをした側)と健側(健常な側)の他動値(主治医が計測する値)を比較して、1/2以下に関節可動域が制限されていると判断されるものが「機能の著しい障害」となり、3/4以下に制限されていると判断されるものが「機能の障害」となります。
関節によって、運動方向の指定があり、測定値は5度単位になります。

疼痛=痛みによる運動障害

骨折後の慢性的な痛み

疼痛による運動障害は神経症状が原則です。

受傷部位の疼痛による運動障害については、局部の神経症状として障害程度の評価をすることが原則になります。
その上で、後遺障害の認定基準は「通常の労務に服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあるもの」は第12級、「通常の労務に服することは出来るが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの」は第14級に該当する。と規定されています。
疼痛以外の感覚障害については、「疼痛以外の異状感覚(蟻走感、感覚脱出等)が発現した場合は、その範囲が広いものに限り、第14級に該当する。と規定されています。

骨折後の変形障害

医師の指示によるリハビリ治療後

医療過誤?でも患者の責任?でも後遺障害認定

「変形治癒」というのは、ずれた骨を正しく矯正しなかったり、矯正した骨を十分に固定しなかったために骨が曲がったままくっつくことを言います。
この変形治癒は、主に回復途中に骨を患者が勝手に動かした場合に起こります。整復が難しい骨折や癒合していない骨は、変形治癒になりやすいので注意が必要です。
変形治癒は美容的な問題だけでなく、血管や神経などの組織を圧迫したりして、正常機能を失ったりすることもあるので大変危険です。
そして、折れた骨を接合する仮骨は、骨折の部位や程度によって通常よりも過剰に出ることもあります。
また、骨のずれが正しく整復・矯正されない場合も、仮骨が過剰に出てきたりします。この過剰骨は、関節を動かせなくなったり、慢性的な痛みが続いたりする後遺症の原因になってしまうことがあります。

受傷後、半年間の通院加療を経ても、症状が残遺する場合

症状固定から後遺障害申請へ

医学的な見地からは、受傷した傷病に対して行われる医学上の一般に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待し得ない状態(療養の終了)で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達した時を症状固定と言います。その日を症状固定日としています。

事故受傷日から半年以上の通院が必要

後遺障害が認定される前提条件は、事故受傷より半年間以上の病院・医院への通院があり、かつ、その間に4週間以上の通院中断が無い事です。整復術や抜釘術後、医師の経過観察により半年を経ない時期に治療が終了してしまうケースの相談を頂きます。
骨折後に何かしらの異常や症状を自覚した場合には、必ず月に1度は受診して下さい。
その上で、それを治す為の治療を半年間以上継続して下さい。

抜釘の有無、抜釘術後の痛みの症状

外傷骨折時の手術にて埋め込んだ金具(プレート)をしばらくたってから抜釘をするか否かは主治医の判断によるものです。外傷骨折の整復術後の経過観察時に主治医よりその方針が示されると思います。 抜釘術後に患部に痛みを伴う場合は、疼痛等感覚障害として後遺障害に該当する場合があります。

相手方の自賠責損保への被害者請求手続き

症状の改善が得られず、主治医より「そろそろ症状固定」と打診された時点から、相手方自賠責損保への被害者請求により後遺障害認定を求める手続きの開始になります。

後遺障害非該当から異議申し立て

自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断します。

後遺障害の認定を求めるも、「他覚的に裏付ける医学的所見に乏しい」・「自覚症状を裏付ける客観的な所見に乏しい」・「将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難く」・「画像上は外傷性の異常所見は認めれれず」・「事故受傷との相当因果関係は認め難く」等が付されて、自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断しますとの結果が非該当事案になります。
様々な理由が考えられますが、症状固定に向けて準備をすれば防げることもありますし、手続きにおいても選択することができます。
一端、非該当となると、後遺障害認定のハードルはより高くなるのが実情です。

 

運動器のリハビリ期間と症状固定時期

診療報酬制度では運動器リハビリテーション料は150日期限

医療機関はその報酬を算定する際には、診療報酬制度に基づいています。厚労省の通則に記載されている運動器リハビリテーション料に基づいて算定します。この通則には「それぞれ発症、手術又は急性増悪から150日以内に限り所定点数を算定する」とされていますので、 リハビリ期間は150日間に制限されていると解釈されています。
したがって、骨折後の整復術にて入院加療後、運動器のリハビリテーションが開始された日から、150日後が症状固定時期の目安になります。

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