腰部ヘルニアの後遺障害

椎間板ヘルニアと診断された場合ヘルニアとは経年性を示す傷病名

そもそも後遺障害認定では、事故受傷による外傷性の傷病に対してその評価が行われます。
主治医がヘルニアとか狭窄症と診断する場合には、これは経年性の病態(又は既往病)を示すもので、外傷性の傷病名ではありません。
医師は事故前の状態を診察していませんので、その状態と事故後の状態を比較することができませんので、椎間板に何らかの異常が画像で認められる場合には「ヘルニア」と診断しています。

腰椎の模型:狭窄症とヘルニア

そこで、被害者の方が、主治医に対して、事故によって症状が顕著になったとか、症状が増悪した事や、生活動作の変化(姿勢や歩様、運動の障害等)について、通院時の問診時に、その都度説明をし続けることが必要になります。
その上で、症状経過・推移などの経過観察時の経過診断書への所見や、症状固定時の後遺障害診断書の他覚的所見によって、経年性の傷病名であっても「局部に神経症状を残すもの」として14級に認定される可能性があります。

ヘルニアによる腰痛等の後遺障害認定

検査結果や治療経過、症状経過の確認

適時に画像検査を受けて、その診断を得ること

受傷時には画像による検査が行われます。X-P(レントゲン)検査では、骨の形態や椎体骨の微細な変化や骨密度の情報が得られます。CTも骨に関する情報を得ることができます。それらに対してMRI検査では、神経や椎間板、骨髄などの軟部組織の情報を得ることができます。したがって、事故受傷から3か月後にはMRI検査を受けて頂くことが必要になります。
保存的な治療が施された経過は、診療報酬明細書より、薬物療法における外用薬を、理学療法では徒手、温熱、牽引療法等の有無を確認します。薬物療法では、消炎鎮痛剤、筋肉に対するもの、神経に対するもの、血流をよくするもの、骨粗鬆症の薬等、処方された薬を確認します。また神経ブロックの有無も重要です。


次に自覚症状と各検査や所見との整合性の確認

次に、症状や傷病名からその特徴を理解して、他覚的所見の重み付けをしていきます。
医学上説明できる障害と証明できる障害には大きな壁があります。レントゲン検査にて骨傷なしでも医学的に証明できる他覚的検査があります。
他覚的所見とは、反射や筋力、筋萎縮、知覚等の神経学的検査や、レントゲン写真やMRI、筋電図等の検査によって示されるものです。
後遺障害等級認定における、「神経系統の障害が説明できるもの」とは、自覚症状を証明できるレントゲンやMRI等の画像所見が得られていることと、自覚症状が神経学的検査所見で異常であり、自覚症状・画像所見・神経学的所見によって、医学的な整合性があり、それが医学的に説明できる場合には、「局部に神経症状を残すもの」として第14級9号に該当することになります。
ただし、後遺障害が認定される為の前提条件は、事故受傷より半年間以上の通院履歴があり、かつ、その間に4週間以上の通院中断が無いことです。つまり、半年経過後の状態で障害程度の判断が行われることになります。

脊柱狭窄症と診断された場合

退行変性の症状ですが、事故に起因し症状が誘発されるケースも

腰部脊柱管狭窄症とは、腰椎を構成する多くの組織の退行変性(加齢による老化現象)が、狭窄状態を形成する原因となり、その形態変化は徐々に進み、神経組織も在る程度までは順応して無症状で経過するが、限界を超えると神経刺激症状や神経脱落症状を呈するようになることです。
医師は事故前の状態を診察していませんので、その状態と事故後の状態を比較することができませんので、脊柱管に狭窄が画像で認められる場合には「脊柱管狭窄症」と診断しています。
そこで、因果関係では無く、症状固定時の状態について、理学診断結果に基づいた他覚的な所見を、後遺障害診断書に記載して頂く必要があります。
特に、多彩な神経症状を伴うケースがありますので、神経内科にて電気生理学的検査を受けて頂くことや、麻酔科(ペインクリニック)にて神経ブロック等の処置を受けて頂くことも、症状経過にて有効な治療経過になります。
事故受傷後の画像検査にて、骨傷として捉えられる場合には、その後の痛みの症状については、頑固な神経症状として認定されるケースがあります。
この頑固な神経症状の第12級は、医学的的に証明できる場合とされ初診時にレントゲンにて骨折又は脱臼=骨傷が確認できる事が前提条件で、その後の治療経過及び経過観察において、神経学的な異常が確認されている事が必要条件になります。これは高いハードルになります。

既往病と診断された場合

事故との因果関係が不明との診断

既往症とは、医師の診断をうけて、医師から治療や処置をおこなってもらったものです。また、損害賠償においては損害の発生や拡大に寄与した体質的要因を「疾患」としています。

事故前に腰痛にて治療を受けていて、事故後により腰痛が増悪した場合には「既往症」、「素因」となり得ます。
厄介なのは、事故前に何ら症状が無く、当然に整形外科への受診歴も無いにも係わらず、レントゲンやMRI画像にて確認された状態が既往症と医師に判断されることです。
これは、事故後の主治医は、事故前の状態を画像にて確認できない場合には、明らかな外傷によると判断できる場合を除いては、変性として「ヘルニア」や「狭窄症」との傷病名が付される慣習によるものです。
この場合には、「火に油を注ぐ(火は起因するもので、油は誘因になります。)」、仮にそのような状態が保持されていたとしても、事故による強い外力・衝撃によって、症状が初めて出現したこと。つまり、事故前には何ら支障が無かったことを、証拠を付して立証することが、必要になります。

神経性の泌尿器障害?

失禁や頻尿等があれば早期に泌尿器科を受診

事故により初診時は腰椎捻挫と診断され、失禁や頻尿等の症状が出現し、その後の画像検査によって「L5/S1椎間板ヘルニア」と診断された場合には、神経因性の泌尿器の排尿や蓄膿障害の疑いがあります。 (医学的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合が頻尿になります。事故前後と比較して頂くことが必要です。)

事故による外傷の初診の多くは、運動器に係わる整形外科ですが、泌尿器の障害の立証は、泌尿器科を受診され、そこで治療を受け、各種検査や経過観察がなされた上で、障害が残存していることが前提となります。泌尿器に異常を感じた時点で、主治医にその旨を伝え、泌尿器科受診のための紹介状を発行して頂き、早期に泌尿器を受診して頂くことが必要となります。

後遺障害として認定条件とは

6ヶ月以上通院してもなお症状が改善しない場合

残存している症状が後遺障害として認定されるには、
1.障害がなおったときに残存する傷病と相当因果関係を有すること。
2.障害が将来においても回復が困難と見込まれるき損状態であること。
3.障害の存在が医学的に認められ労働能力の喪失を伴うものであること。という備えるべき条件(要件)があります。

その上で、「病院」へ6ヶ月以上通院しても、症状が残遺する場合には、主治医と症状固定時期を相談し、その症状固定日に後遺障害診断書を発行して頂くことになります。
神経症状の後遺障害診断書には、受傷状況・症状経過と残存する症状の整合性や、自覚症状と検査所見との整合性など、経時的に障害が医学的に認められる所見の必要性など、様々なポイントがあります。 「ヘルニア」や「狭窄症」と事故との因果関係を主治医に求めても、曖昧な所見にならざるを得ないのが実情です。 そこで、因果関係では無く、症状固定時の状態(痛みの性状・歩様・姿勢など)について、理学診断結果に基づいた他覚的な所見を、後遺障害診断書に記載して頂く必要があります。 また、後遺障害診断書の補足として、「生活状況報告書」を被害者請求時に添付することも有益です。

非該当から異議申立の実務から

異議申立における14級9号とは

異議申立におけるポイントを、腰椎捻挫の病態別の症状を知る、椎間板ヘルニア(disc herniation )との診断から、腰椎疾患判定表の利用として、下記のページに解説しています。

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