脳外傷による高次脳機能障害とは

高次脳機能とは、大脳のいくつかの領域が共同で行う複雑な精神活動の総称です。

高次脳機能障害とは、交通事故などの事故・脳卒中などの脳血管疾患や病気による脳の損傷で、脳機能のなかでも高次な機能である、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などの機能の障害です。(ただし、明確な定義は確立されておらず、より狭義の定義をする人もいる)。高次脳機能障害をもつ人々の中には、一見そのハンディがわからないため周囲の理解が得にくいことが多く、また医療・社会福祉の各分野で対応が未発達といわれており、社会生活だけでなく日常生活においてもハンディがあります。
交通事故による障害認定では、「脳外傷による高次脳機能障害」と呼ばれ、脳外傷があり、意識障害が一定期間継続した場合に発生する後遺障害であって、認知障害(記憶の障害等)とともに人格障害(性格変化等)が認められ、仕事や日常生活に支障を来す障害です。脳の器質的な損傷を原因としている障害を示しています。

表1:脳外傷による高次脳機能障害とこれまでの高次脳機能障害との違い

脳外傷による高次脳機能障害

従来の高次脳機能障害

原因疾患

交通外傷に多い。脳外傷(びまん性軸索損傷と、広汎脳挫傷、急性硬膜下血腫、などによる二次性びまん性脳損傷)、低酸素脳症、蘇生後脳症、一酸化炭素中毒、老化・高齢脳

脳卒中(脳梗塞、脳出血など)に多い。脳腫瘍、局在性脳外傷(脳挫傷、外傷性血腫など)も

臨床症状

急性期には意識障害 全般性認知障害と人格・性格変化

失語、失認、失行などの大脳巣症状

事例ごとの症状の類似性

軽重はあるも類似・共通点が多い

脳病変部位に対応した個別症状

自覚症状

自覚症状に乏しく、自分からの訴えも少ない。

家族の認識とかけ離れる 障害を自覚しないこともあるが、それによる不便さは理解している

画像所見

全般性脳室拡大と脳萎縮が短期間(数ヶ月以内)に完成する

脳梗塞、脳出血などの局在性病変が目立つ

診断

専門家も見過ごしやすい

専門家は見逃さない

神経心理学的検査

認知障害は検査できても、人格・性格変化は測定できない

検査で測定できる

障害者福祉法

精神障害(実際には適用事例が少ない)

身体障害(言語障害、視覚障害など)

自賠責保険

神経系統の機能または精神の障害系列”で総合的に認定

頭部外傷による高次脳機能障害の特徴

大まかな分類では、失語、半側空間無視、失認、失行や、認知障害、人格や情動障害、それらの結果による行動障害

認知の障害

記憶障害

理解力や判断力の低下

注意障害

注意を持続できない、注意の対象を変えられないなど、注意力の低下

学力障害

学力の低下

言語力

コミュニケーションの低下

遂行機能

計画する能力や問題解決能力の低下

幼稚、羞恥心の低下、被害妄想、速度の低下、病識欠落

人格と情動の障害

感状コントロール低下(感情易変、易刺激性、不機嫌、攻撃性、暴言、暴力、病的嫉妬やねたみ)

コントロール低下(固執性、多弁、対人技能拙劣、協調性の低下)

抑うつで意識がない、自発性・活動性の低下、依存性・退行

行動障害

発動性の低下でなにもしない

作業負荷に対する持続性・集中力の低下

同じ失敗を繰り返す

急性期(事故受傷から3ヶ月)を過ぎても改善が得られない場合

弁護士マターになります

高次脳機能障害と診断をされ、急性期を過ぎても症状が改善しない場合には、弁護士に相談されるべきです。
弁護士は相手方損保との交渉やその後の後遺障害認定、さらには生活費の工面などの支援ができます。
早急に、複数の法律事務所(弁護士)に相談されて、その中から選定されることをお薦め致します。

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