事故受傷後の治療中の問題

交通事故の被害者は、突然の事故により、ケガの治療、加害者側との賠償交渉や対応を余儀なくされ、非日常的なストレスを受ける事になります。そのような状況の変化から一般的に生じる心理的な反応から生じる損害は、普通の方であっても生じる物です。
高齢である事は属性のひとつですが、その事実だけでは損害の発生や拡大に寄与したことと直接関係する訳ではありません。自賠責保険の支払基準には高齢である事を考慮する項目はありません。
治療の長期化、後遺障害の残存あるいは死亡という重大な結果が発生した場合に、本人が加害者側との賠償交渉を担うことは無理があります。
その場合には代理人を立てることになりますが、代理人の資格は法律上の規定はありませんが、事務的な事項の処理能力があり、損害賠償に関する法律的な知識があり、関連する法令や訴訟の実務まで考慮すると、弁護士に依頼される事が、安全で早道になりますが費用の問題が発生します。

事故受傷と既往病として疾患との問題

加齢により、疾患までは至らない変性や、身体的特徴には、高齢に伴い発症ないし出現するものがあります。高齢者の方は、事故に遭う前から、身体に加齢に伴う生理機能の低下や経年性の変化や変成が生じていたり、種々の既往病や治療歴があることが少なくありません。若年や壮年の方と比較して体力的に劣り、事故後の治療に対するストレスへの耐性も低いことから、事故後の生活環境の変化によって、前進の状態が悪化する場合もあります。裁判上で、高齢者の交通事故で問題となり易い疾患は、

高血圧

高血圧など、高齢者には循環器系の疾患を既往病として有している方が少なくありません。裁判ではその症状が加齢現象を超えた程度に至っているかいなかが争点と思われます。

骨粗しょう症

骨粗鬆症は加齢によって発症することから、高齢者に既往病として有している方が少なくありません。その程度が重度である場合には、骨折等の原因となることから、裁判では加害者側から減額の素因として争点になる場合があります。

この疾患の場合は、骨粗鬆症と診断されていてもそれのみでは減額の対象にならないと考えれられ、その程度が年齢相応のものと比較して大きく異なるか否かが争点になる場合があります。

認知症

全国で170万人が認知症と言われています。交通時の被害者が、事故前から認知症が出現していたり、事故後に認知症を発症したり、事故後にその症状が進行(増悪)させる場合も増加傾向にあります。

既往病としての認知症も、アルツハイマー型や脳血管性型ではその症状も異なりますし、事故との因果関係を判断するのも個別の事情によるものと思われますが、事故により受傷した外傷等により、長期の入院を余儀なくされたことによる生活環境の変化やストレス等が、認知症を発症させる原因になることもあるとされています。

自賠責保険における加重

自賠責保険においての加重障害は、「既に後遺障害のある者が傷害を受けた事によって同一部位について後遺障害の程度を加重した場合」とされています。
自動車事故によって新たに障害が加わった結果、傷害等級上、現存する障害が既存の障害より重くなった場合に、加重の扱いがなされます。
保険金額の算出方法は、被害者に既存障害が存在する場合には、保険会社の事故後の後遺障害の程度をまず評価し、これに対する保険金額から既存障害の等級に該当する保険金額を控除して支払額が決定されます。裁判では個別の事案について争点があり、その内容が争われ、算定方法の公式も無くまちまちの結果になりますが、自賠責保険での被害者請求はすべて書面を提出し、その書面に基づき審査をいわば機会的に行います。自賠責保険の支払基準では、高齢による減額がないことも大きな特徴です。

自賠責と裁判基準

加重は自賠責保険における障害併合の扱いです。自賠責保険による減額は、被害者に重大な過失(7割以上)がある場合、後遺障害との因果関係の有無の判断が難しい場合の2通りです。
裁判では、相当因果関係、素因減額、過失割合、寄与度という判断基準があります。高齢者が被害者の場合は、損害賠償額のほとんどが自賠責保険への被害者請求にて損害の全額が回復される場合が多いの特徴です。また、後遺障害の等級認定においても、高齢による事が判断基準ではありませんので、後遺障害等級認定をされて、等級が認定された場合に、被害者請求として自賠責保険へ後遺障害の慰謝料等を請求することができます。
自賠責保険の被害者請求にて問題解決を図ることが有効なのも、高齢者の事故による損害賠償の特徴になります。

 

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