自賠責保険の支払基準と外国人

外国人が被害に遭った場合に自賠責保険の査定業務においては、日本人と同様に取り扱われます。
定住者・永住者・日本人/定住者の配偶者等の身分と地位についての在留資格の方は、損害賠償額の算定方法は日本人同様になりますが、それ以外の在留資格の方は事情によって適用結果が違う場合があります。

在留資格の問題

在留資格には期間の定めがありますので、休業期間や後遺障害の残存期間に応じて休業損害を算出しますので、算定の対象期間が在留期間を超えるときは、在留期間が更新される可能性が立証される事を条件に、この更新後の期間も賠償の対象期間に含めて算定されることになります。

積極損害について

治療費関係、付添看護費、入院雑費等の積極損害については、損害の算定に当たって原則として外国人特有の事情を考える必要はありません。仮に本国において葬儀を行う場合の遺体の搬送費、近親者の帰国費用、日本で葬儀を行う場合の近親者の来日費用等は、社会通念上必要かつ妥当な実費であれば損害として認めれます。

休業損害について

支払い基準は、「休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に一日につき原則として5,700円とする。」としています。また、立証資料により一日につき5,700円を超えることが明らかな場合は、自賠法施行令3条の2に定める金額(平成19年時点では一日19,000円)を限度として、その実費とするとしています。
実務上は、外国人が日本で就労している場合には、在留期間や在留資格との関係で適法な就労と不適法な就労とが考えられますが、どりたであってもその就労が公序良俗に反するものでない限り、日本での現実収入と一日5,700円のいずれか高い法で算定されています。
短期滞在の在留資格で観光目的等で滞在中に事故に遭った場合は、本国における現実収入と一日5,700円のいずれか高い法で算定されています。立証資料には和訳分を付すこと必要です。

後遺障害または逸失利益、慰謝料について

支払基準は日本人同様ですが、その具体的な適用の仕方については、就労の場所と日本での予想される滞在期間によって異なります。
在留資格、在留期間、来日目的等から比較的短期間の日本滞在しか予想できないと認められる外国人については、将来に渡って日本での現実収入、日本人労働者の年齢別平均給与額又は全年齢平均給与額の年相当額を得られる蓋然性(可能性)がありませんので、実務上は、年齢別平均給与額中で最低額である18歳の平均給与額(平均月額、男子187,400円・女子169,600円)の年相当額を基礎収入とする扱いがなされるようです。
自賠責保険では、在留資格に係わらず日本人と同様に算定されます。

損害賠償請求の訴訟では

訴訟事件についての多くの判決では、日本に滞在するであろう期間については、日本で得られるであろう収入や日本人の平均賃金を基礎として算定し、本国へ帰国するであろう時期以降については本国で得られるであろう収入を基礎としています。日本と本国との賃金水準に大差が無い場合には、日本人と同様に扱っている例もあります。

 

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